ブルドックソースの買収防衛策

こんばんは、ばたすけです。

ブルドックソースの買収防衛策が発動されましたね。
1株あたり3株の新株予約権を発行し、乱用的買収者に当たるとされたスティールパートナーズ分の新株予約権はブルドックが買い取ることで、スティールの株式保有比率を役4分の1にしてしまうという内容です。
ただ、1株が4株になってしまうので、ブルドックソースの株価は4分の1にまで下がるだろうと言われていることや、スティールに支払う買取額の約23億円がブルドックソースの経営に影響を及ぼすという話も出ていることから、あまり良い方法とも言えないように感じられます。

さてさて、面白いのはこの「ブルドックがスティールに支払う約23億円」なんですが、スティールはブルドック株の10%超を取得するのに「約18億円を使った」らしいんですね。
ってことは、今回の買収防衛策発動で「スティールは5億円儲かった」ことになります。

投資ファンドとしては利益が出ればそれでOKなので、今回の買収防衛策発動も、結局は「ファンドが利益を得ただけ」なんじゃないかと思います。
ブルドックは株価下落と大量の現金放出で良い事無しですからね。
その上、スティールがさらにTOBを継続し、再度ブルドックが買収防衛策を発動させると、上記と同じ原理でまた「スティールが儲かる」という訳です。

この買収防衛策発動で、スティール以外に良いことがあった人は存在するのでしょうか???

もし、私がスティールだったら、ブルドックが潰れるまでTOBを続けてお金を搾り取りますね。
黙っていても先方が大騒ぎして買収防衛策発動だと言ってはお金を払ってくれるんだから、こんな「美味しい話」はありませんよ。
世間のどこにこんな馬鹿げた話が存在するのかと、目を疑いましたが、これは現実なんですよね。
ブルドックの経営者はそう遠くないうちに引責辞任することになるんじゃないかと思います。

株式市場は上場するその瞬間には企業にとっての「資金調達の場」ではありますが、株式が一旦市場に出回ってしまえば、それは利益獲得のための「マネーゲームの場」でしかありません。
そのマネーゲームの場で企業活動をおこなっている投資ファンドが「企業の成長」を目標にするはずはありません。
投資ファンドは株式の売買で「利益の追求をする」のがお仕事です。
投資ファンドに対して「自らの利益の追求だけが目的なのか」という非難をしている人がいますが、物事を知らなさ過ぎるとしか思えません。
投資ファンドは「それが目的の会社」なんです。

いい加減、投資ファンドがどういうものかについて、日本人も学習した方が良いと思います。
あと、マネーゲームの対象にされたくなければ上場しない、上場廃止することですね。
報道を見てると未だに学習しない馬鹿ばっかりで呆れてしまいますよ。