鞆の浦の道路建設

こんばんは、ばたすけです。

ニュース23の特集で、広島県鞆の浦の景観を滅茶苦茶にするような道路建設計画の話をやっていました。

建設賛成派の人が「道路ができれば人口減が食い止められ、観光客もやってくる」とか「100年、200年先のことを考えて賛成している」とか言っていましたが、個人的には箱モノ行政の枠を出ないような道路建設では人口減は食い止められないし、観光客も増えないと思いますね。
そうやって安易な発想で道路や建物を作ったけれど、借金だけ増えて人は減り続けているなんて地方自治体はごまんとありますからね。
そもそも、道路を作ったって、人口なんて増えないですよ。
住環境は道路によってのみ決まる訳ではないですから、増えるのは交通量だけです。
逆に、景観を滅茶苦茶にしたら観光客が減って、交通量も減ってしまうかもしれませんね。
あと、道路は1年足らずで作れますが、文化財は何十年、何百年という時間がなければ作れないということは忘れない方が良いでしょう。
一度壊してしまったら、後になって後悔しても元には戻せませんからね。

ただ、「港の対岸に幹線道路がある」という町の様子を見れば、港の真ん中に橋をかけて道路を作りたくなる気持は理解できなくはないです。
とはいえ、町の真ん中に幹線道路を通しても、交通量が増えて住環境が悪化するだけですから、幹線道路は町の外側を通した方が良いと思います。
そうやって作った幹線道路とのアクセス網を整備するのが妥当なやり方なんじゃないでしょうか。
まぁ、文化財を潰してでも目の前に道路を作って、排気ガスを目一杯吸い込みたいということなら、それはそれで良いのでしょうけども。

「建設反対派が対案として町の山側にトンネルを作ることを提示したが、行政側が取り合わない」という話がちらっと出ていましたが、まぁ「橋をかける」のと「トンネルを掘る」のとでは、工事を担当する建設会社が別になるから、対案は採用できないのでしょうね。
望めば簡単に世界遺産に登録されるという話も出ていましたが、それをやらないということは、世界遺産に登録されると困る人々がたくさんいるのでしょう。
行政と地元が利権でズブズブなんじゃないでしょうか。
汚いお金の匂いがプンプン漂っているような気がしてなりません。

と、色々と書いてきましたが‥‥
日本は「多数決で事が決する」国ですから、反対派住民が多数を占めていれば、建設は止められるんですよね。
そのことから考えると、反対派住民によっぽど知恵がないか、もしくは住民の大半が賛成派であるかのどちらかなんでしょう。
地元商工会(だったかな?)の会長が先頭に立って建設賛成と言っている訳ですから、そう考えると後者であろうと推測されますので、建設は決まったようなものでしょうね。

あえて「住民」と書きましたが、住環境については外野は四の五の言える立場にはないです。
一般論として「景観や文化財保全されるべき」だとは思いますし、そうならないとなるとなんとも残念に思いますが、地元の人々がそう思っていないのであればどうしようもないことです。
人々の文化レベルを上げていかないと、こういったものがどんどん消えて行くのだろうことを思うと、勿体無い限りとしか言い様がありません。