松井冬子さんを取り上げたETV特集を見て

こんばんは、ばたすけです。

なんか、学者って本人が「そうじゃない」と言っていても、自身の持論に相手が同意するまでしつこ~く話を続けますね。
私なら「違うって言ってるだろうが、日本語解らんのか!?」と言ってるだろうなと思いながら見てしまいました。
学者って他人の話を聞かないし、自己の論理を押し付けるしで、ロクなもんじゃないですね。
まぁ、学者は理屈を考えるのが仕事だから、無理矢理にでも理屈を考えて、それを本人に肯定させて「私の理論は正しい」ということにしたいのでしょうけども。

さてさて、この番組で一番気になったのは
「明治以降廃れていた絹本の裏彩色という技法を松井が研究の末復活させた」
という所ですね。
絹本は透けるから裏彩色ができる、つまり裏彩色したいから絹本を選ぶ(裏彩色しないなら紙に描けば良い)ということで、絹本の裏彩色は日本画では普通にやられていることなんですよねぇ。
だから、別に松井冬子さんが復活させた訳でもなんでもないんですけども。

こういう嘘の内容を放送をすると、番組に対する批判ではなく
「「絹本の裏彩色という技法は私が研究の末に復活させた」と松井が(自分を大きく見せるために嘘を)言った」
という風に解釈されてしまうので、本人にとっては良い結果にならないでしょう。
メディアに取り上げられるのも一長一短ありますね。

あと、藝大目指して浪人している人は、デッサンを1000枚くらい描くのは普通のことだと思いますよ。
1000枚なら少ない方じゃないでしょうか。
「取り上げている人物を大きく見せたい」という番組制作側の意図は解らなくもないですが、こういう誇大広告って、それを信じてしまう素人さんの「真実を知った時」の落胆はかなり大きなものになりますから、やめておいた方が良いと思います。

なんとなく、「作品を語る」のではなく「作品の解釈という理屈付けを語る」ような内容で、見ていて面白くはなかったです。
まぁ、絵の鑑賞方法は人それぞれですから、理屈を云々するのが好きな人はこれで良いのかもしれませんけどね。