地方活性化策以前の問題

こんばんは、ばたすけです。

自民党総裁選が終わり、麻生氏が自民党総裁となりましたね。
就任演説でも選挙戦の中でも「地方の不況を実感し、その対策が必要だと強く感じた」という話をしていましたので、ニュースでは地方の過疎や産業衰退、経済低迷に関しての特集がいくつか組まれていました。

それらニュースで流れていた「地方の現実」について、腑に落ちない点があったのですが‥‥

地方の農家も、商店も「後継者がいない」と言っているんですよ。
「みんな都会に行ってしまった」
「後継者がいるのは5人に1人くらい」
「このままでは地元産業は衰退する」
こんな話ばかりです。

ところが、私は私で(農業にフォーカスしてしまいますが)
「農業大学を卒業したのですが、農業の仕事に就けず、仕方がないのでIT業界への就職を目指しています」
という人にここ1,2ヵ月で何人か出会っています。

まぁ、私の知りえる範囲なんてものはごくごく狭い世界でしかないですから、
「たまたま、そういう人が重なっただけ」
なのか
「そういう人はたくさんいて、その中の何人か(氷山の一角)に出会った」
のか、そのどちらかは判らないのですが、どうも報道内容を鵜呑みにしてはいかんような気がしてきました。

そこでつらつら考えてみたのですが、もしかして「後継者がいない」というのは正しくは
「自分の実子で後継者になる人がいない、だからといって他人に家業を継がせる気はない」
ということなのではないでしょうか?

神奈川県といっても主要産業が農業という微妙な田舎に引っ越してきた私は、土着の民(変な言い方ですが、これが正しい表現だと思います)のコミュニティが閉鎖的で、余所者に対してウェルカムという態度ではないのを目の当たりにしていますので、これが地方になるともっと閉鎖的なんだろうなということは容易に想像がつきます。
そうなると、「どこの馬の骨とも判らない人間に家業を継がせるくらいなら、廃業した方がマシだ」となってしまうのではないかと思うのですが、実態はどうなんでしょうね??
遺棄耕作地を買い上げて格安で入植者(これまた面白い表現ですが、正しい表現だと思います)に払い下げている地方自治体もありますが、あまり成果はあがっていないようですし、これが「なぜ上手くいかないのか?」も含めて検証(これは単に「入植地を買うお金が無いだけ」でしょうけど)する必要があるでしょう。

帰って来ない実子を待つより、やる気のある若者を連れて来た方が良いと思うのですが、地元意識ってのは理論的な感情ではないのでどうしようもないところはありますからね。
ただ、これでは「地方の過疎や産業衰退は自らが招いていること」になってしまいますよね。
私の推測が実態に近いとすれば、地方活性化のためにはまず、土着の民の意識改革が必要なんじゃないでしょうか。

逆に、「農業の仕事には就けなかったので」と言っている若者について考えてみると、どうも都市部で農業の仕事を探しているのではないかと思われる節があり、そんなもんは地方に行かなければないだろうと思ったのも事実ではあります。
農業大学では農業を取り巻く環境や経済については勉強しないんですかね?
とはいえ、私が携わっている人々は比較的能力の高くない人が多いですから、そういうことを習ったとしても、自分自身に置き換えて考えることができないのかもしれません。

既に行われているのかもしれませんが‥‥
農家に限らず、商店でもなんでも後継者不足に悩んでいる地方は、本気でなんとかしたいのなら「後継者募集」の広告を出すとか、学生の就職先としてエントリーするとかいうことをした方が良いのではないでしょうか。
「後を継いでくれれば家業に関連する土地財産はすべて譲ります」くらいの好条件を付ければ、結構志願者は出てくると思いますよ。
当然、政府には譲渡税の減免とか、そういう補助をしてもらう必要が出てきますが、ばら撒きの一時的な地方活性策を実施するよりかは、時間はかかるものの長期的効果が得られると思いますけどね。

とはいえ、募集側が「そこまでしようとは思わない」ましてや「よそ者を入れようと思わない」と思っているうちはどうしようもないですし、応募側に「強い働く意欲」と「継続する意思」があることが前提になりますけどね。
何にしろ、一朝一夕でなんとかなる話ではないですね。

巧くマッチングできれば、少しの後押しでなんとかなると良いと思うのですが‥‥
う~ん、ダメかなぁ?