派遣切りの話

こんにちは、ばたすけです。

企業を取り巻く環境の悪化に伴い、契約社員派遣社員の契約打ち切りが話題になっていますね。
良いか、悪いかというのは道義的な話もありますが、日本が法治国家である限りは良し悪しは道義云々ではなく、法に則って考えなければなりません。
感情論で話をすれば、際限なくエスカレートしていきますし、人によって判断基準は異なります。
それら人毎に生じる差異を無くし、社会生活を円滑に営めるようにするために存在しているのが法ですからね。
まぁ、私は法律が絶対的に正しいとは思っていません(色々と不条理を感じています)ので、現状に即していない、もしくは不都合があるようなものについては随時改正が必要だと思っています。
ですが、とりあえずは今現在の法律に照らし合わせて「良いか、悪いか」つまり「合法か、違法か」を判断しなければなりません。

「不当解雇」については、本当に不当、つまり「違法」なのかどうかを考えなければなりません。
解雇理由といえば「社会通念的に照らし合わせて妥当と判断できる解雇理由って何なんだろう?」という疑問があり、私も頭を悩ませていますが、これについては判例も多いので、違法か合法かはある程度は判断できるでしょう。

さてさて、最近マスコミがやたらと報道している「派遣切り」なんですが、私にはこれは違法とは思えないんですよ。
契約社員の解雇となると、不当解雇云々という話があるので難しい(契約期限満了を待って契約延長しないとするしかない)ですが、派遣社員となると、あくまで

派遣会社と派遣先企業との間の契約次第

ですから、派遣期間途中の契約解除に関する条項があれば、それに従って処理するだけです。
多分、派遣先企業は派遣会社に対して契約解除のための違約金を支払っているでしょうね。

そうなると、報道されている「契約の途中解除を通告された派遣社員が、派遣先の企業に詰め寄る姿」ですが、これはどうにもおかしいです。
派遣社員が派遣先の企業に対して

「契約を途中解除しないで」

と要望を伝える分には、特に問題はないと思います。
ですが、派遣先の企業に対して

「住む所が無くなってしまうので、次の仕事が見付かるまで寮を継続して使えるようにしてくれ」

とか

「職を失い生活できなくなるので、生活費を保障してくれ」

と要求し、それが受け入れられないと言われたら「人殺し」呼ばわりするのは完全に筋違いでしょう。
それを要求する先は「派遣会社」ですよ。
そのための違約金なんじゃないでしょうか。

また、派遣先企業にしてみれば、これら要求は「不当要求」ですから、断固拒否しなければなりません。
感情にまかせて不当な要求を声を大にして叫べば通るとなれば、その国はもう法治国家ではなくなります。
要求をおこなう方も、もっと考えて行動しないと、話をする相手を間違っているのではどうしようもないですよ。

そもそも、企業は人数調整をできるように派遣社員を利用している訳ですから、生産調整に入って余剰人員が生ずると、派遣社員を削減するのは当然のことです。
状況に応じて自由に増減させることができないのであれば、企業は派遣社員なんて利用しなくなるでしょう。
まぁ、根本的な対策は「派遣を禁止する」ことですね。
(工場への派遣を解禁したのは小泉改革の成果でしたっけ?)
ですので、これは政治家に対して働きかけることだと思います。

どうも争点がズレている上に、話をする相手が違っているように思われて、報道を見ていても
「もっと賢くならないと駄目だよ」
と思うだけです。