「ブログへの誹謗中傷で立件」に関する読売新聞の記事

こんにちは、ばたすけです。

お笑いタレントのスマイリーキクチさんのブログに事実無根な誹謗中傷文を書き込んだとして、18人が名誉棄損の疑いで書類送検されるとのことですね。
また、脅迫文を書き込んだとして、1人が脅迫容疑で書類送検されたとか。

ネット上での誹謗中傷行為が立件されるというのは画期的(前代未聞)ということで、数日前の読売新聞の1面にはこの話が載っていたのですが、書いてある内容がおかしいんですよね。
要約すると、曰く‥‥

集団的な中傷などの書き込みによるブログの「炎上」が問題になっている。
今回のお笑いタレントへの誹謗中傷だけでなく、過去にはプロゴルファーの上田桃子さんが「バレーボールやバスケットボールには未来がない」と書いてブログが炎上したことがある。
また、サイゼリアのピザ返金に便乗して返金詐欺を行ったと書いた高校生のブログが炎上したこともある。
言論の自由の名を騙って匿名で他人を非難することはあってはならないことだ。

‥‥こんな感じですかね。
まぁ、文面を読んでの私の解釈ですから、ちょっと歪んでいるかもしれませんが。

さてさて、何がおかしいかというと「事実無根な誹謗中傷」と「事実に基づく非難」を混同しているところなんですよね。
読売新聞としては「匿名で非難するのは駄目だ」ということが言いたいらしいのですが、スマイリーキクチさんの件と、上田桃子さんや返金詐欺高校生の話はまったく次元の異なる話でしょう。
誹謗中傷と、事実に基づく批判や反対意見はまったく別のものです。

上田桃子さんの場合はバレーボールやバスケットボールを馬鹿にしているとしか思えない発言をしている訳ですし、返金詐欺高校生は明らかな犯罪行為です。
これに対して批判的な意見が書き込まれるのは当然のことではないでしょうか。
匿名であろうがなかろうが、明白な事実に対して意見を書き込むことには何ら問題はないと思いますよ。
それに、有名人や悪質な行為に対して「ご意見」が多くなるのは当然のことでしょう。
(そもそも論で言うなら、「ご意見無用」なのであればブログへのコメント書き込みは禁止に設定すれば良い訳ですし、不特定多数の人からご意見されるのが厭ならブログなんてやるべきではないですよね)

それよりも、私個人としては、ブログの炎上に関して問題点を挙げるとするなら‥‥

ブログ開設者の本名や住所、電話番号、写真、勤務先や通学先を突き止めて、それを晒して悪戯電話や脅迫行為を煽ったり、それらを実行したりすること

‥‥の方がよっぽど問題だと思っているのですが、この点については記事上ではまったく触れられていませんでした。

「ネットが匿名だから無責任な書き込みがなされ、正体が判らないだけにどんどんエスカレートしていく、だから匿名は良くない」という論理なのでしょうけども、誹謗中傷と批判を取り違えたり、晒し行為などの指摘がなかったりという所を見ると、この記事を書いた人はあまりネットについて解っておらず(もしかするとブログを見たり書いたりしたこともない?)、匿名ということにのみ過剰な拒否反応を示していると思われます。
やはりマスメディアというのは「一方的に情報を発信する」ものですから、その形態にどっぷり浸かってしまっている人にはネットは理解し辛いものなのでしょうね。
(これも一種のデジタルデバイド??)

そんなこんなで、なんとも中途半端な記事だなと思った次第です。