求人企業の審査

こんばんは、ばたすけです。

人材派遣のインテリジェンスが神奈川県から就職面接会の開催を受託しているとかで、インテリジェンスから参加しませんかとのお誘いがありました。
丁度、今行っている客先の近くだったので、仕事を中座してインテリジェンスまで説明を聞きに行ってきたのですが、ブースを出すには県の審査?が必要だとかで‥‥

・全国規模の大きい会社は駄目
・派遣会社は駄目

‥‥と、あれこれ制約があるようです。

「全国規模の会社は駄目」というのは、神奈川県民の税金で実施しているものなので、「参加企業は県下の企業」で「これを利用して就職する人は県民」ということを意図しているんだろうと思います。
まぁ、意図としては判らなくもないのですが、就職する側からすれば大きい会社の方が良いんじゃないかと思ったりもするんですけどね。
私個人としては、大きい会社は嫌いですけども。

「派遣会社は駄目」というのは、「景気が悪くなると派遣は切られて無職になってしまうので、派遣事業をおこなっている会社は駄目だ」と言われたのですが、なんだか言ってることの意味が解りません。

私「うちが持っているのは特定派遣ですけど」
イ「はい、特定派遣を取っているので、参加できないかもしれません」
私「いやいや、特定派遣が派遣できるのは正社員だけだから、派遣切りは関係ないでしょう」
イ「実はですね‥‥」

というやり取りがあって、結局のところ「名ばかり正社員」を警戒しているということが解りました。
名ばかり正社員という言葉は耳にしていても、それがなんなのかイマイチピンとこなかったので、特定派遣会社の名ばかり正社員問題とはなんぞやを調べてみたところ‥‥

・客先での仕事の期間が短く、仕事場が頻繁に変わる
・一つの仕事が終わり、次の仕事が始まるまでの間に待機期間がある
・給料が上がらない

‥‥だそうな。
他にもあるのですが、とりあえずこの3つを挙げてみました。

お、うちの会社は当てはまるじゃないか(笑)

ただ、これって派遣云々というより、IT業界の業態の問題じゃないかと思うんですけどね。
私が日本最大の通信キャリアのIT系子会社でネットワークエンジニアをやっていた時も、電力系キャリアでITコンサルタントをやっていた時も、数週間~半年くらいの期間であちこちの客先に行きましたし、一つの仕事が終わると次の仕事が始まるまで1カ月時間が空いて待機になったりとかしてましたよ。
大きい会社でも、客先業務だとこうなりますから、小さい会社は言わずもがなでしょう。
それに、今は一つの案件の期間が短くなっていて、1~2カ月で終わってしまうものもザラですから、待機期間を作らないようにしようとすると、「特定のお客様のお相手のみ」という訳にいかず、あちこちの客先に行かざるおえなくなります。
うちの会社はインフラ構築を請け負って、顧客指定の作業場(つまり客先)に通いで作業をしていますが、顧客は比較的固定されているものの、やはり期間は数ヶ月から半年というのが実態です。
仕事の内容も、大枠で言えばすべて「インフラ構築」となりますが、使う機器やソフトウェア、構築する環境は案件毎にバランバランです。
プログラムの仕事であっても似たようなものですよね。
「同じ顧客の元で毎回同じものを作る」なんてことはまずないでしょう。

そう考えると、社内SEの仕事でない限りは、IT企業に就職したらどこの会社の仕事も似たような業務形態になるんじゃないでしょうか。
企業によって、給料が高い、低い、上がる、上がらないという差はあるでしょうけども、逆に言うと企業の善し悪しの違いはそこにしかないってことになりますよね。

先日、うちに入ってくれることになった彼は、給料の話をすると
「それだけもらえるなら文句ないです」
と言って喜んでいましたが‥‥

それは単に、彼の現職がうちよりも給料激安というだけのことなんでしょうか?(^_^;)
同業者とも話をしますけど、うちの給料は安過ぎないが、高い訳でもないといったところだと認識しています。
まぁ、「そこそこの労働、そこそこの給料、そこそこの生活」と唱えているようでは、給料が高いなんてことにはならないのは当然だとは思いますが。

色々と思う所はありますが、給料云々を置いておくとすると「要は考え方かなぁ」という気がします。

とある人は「色々な現場で色々な案件をやりたいから、うちの会社の仕事のやり方は自分には丁度良い」と言います。
とある人は「次の仕事が始まるまでの間に、勉強するにしても遊ぶにしてもまとまった時間が取れるから、うちの会社の仕事のやり方は丁度良い」と言います。
そういう人にとっては、こういう業態は願ったりかなったりなのでしょう。

毎回やる事が違うってのは経験やノウハウの蓄積になるじゃないですか。
時間があれば、まとまった時間がないとできないことにも取り組めるじゃないですか。
私はそう思っています。
前職で「君は来月から商品企画部勤務で内勤」と言われた時は「人生オワター」と思いましたから。

ただ、どうやらそういう考え方をする人は少数派なようで、多数派(?)の「一つの仕事にじっくりと腰を落ち着けて取り組めないのは嫌だ」とか「やる事もなく次の仕事を待つのは苦痛でしかない」という考え方をする人にとっては悪夢以外のなにものでもないのでしょうね。
やることがないって‥‥全知全能の神か何かなのかと私は思ったりするので、その発想自体は私にはまったく理解できないものではありますが。

なんか、色々と考えさせられます。
単純に、向き不向きの問題というだけな気もしますし。

いずれにしても、生活するに足るだけの給料が遅滞なく出ているという環境にいない人にとっては、自分に合っている仕事か否か以前の問題でしょうから、「そこそこの給料」がもらえているのが前提の話となりますが。
とはいえ、自己評価が異常に高い人は、どれだけ給料もらっても満足しないので、そういう人は除きますけども。

話が逸れました。
結局「特定派遣は社会的に偽装請負が問題になった時に顧客からの要請で取得したもので、別に派遣を主な業務としている訳ではないですよ」という話をして終わりとなりました。
派遣事業報告書は毎年神奈川県労働局に出しているので、それで実態は判るでしょう。

なんと言いますか‥‥
客先に仕事に行くのが駄目だと言ったら、大半のIT企業、特に中小零細なんかはすべて対象外になってしまうんじゃないでしょうか。
また、求人企業情報には「初任給22万円以上」としか書かれていないのに、これでどうやってその企業の良し悪し(つまり、上述のような給料が上がるか否かという話)を判断するのでしょう?
そもそも、県の雇用事業を担当している方はIT業界の実情を解っているのでしょうか??

なんとなく、気を遣うポイントがズレているような気がするんですけどねぇ。