就職できないのは本人に問題があるからでは

こんばんは、ばたすけです。

またまた雇用対策事業に携わっています。
今回は社会情勢を鑑みて、来春卒業予定で就職先未定な学生さんも対象としており、そういう学生さんが全体の3割くらいの割合でやって来るのですが‥‥

共通しているのは
・何も考えていない(だから目的も目標も情熱もない)
・自己を分析できない(だから何が駄目なのか解らない)
ということですね。

浪人、留年無しで、ストレートでかなり良い学校に入っているのに就職が決まっていないという人が多いので、何故だろうと不思議に思ったのですが、面接をしてみて納得です。
生きるうえにおいて、まったく何も考えていないんですよね。

「なぜこの学科を選んだのですか?」
と尋ねると
「先生が勧めたから」とか「親が言ったから」
と応える。

「就職活動はやりましたか?」とか「なぜこの会社を選んだのですか?」
と尋ねると
「なんとなく」とか「とくにやりたいことがなかったので適当に選んだ」
と応える。

「今まで内定をもらえなかったのは何が原因だと思いますか?」
と尋ねると
「解らない」
と応える。

自分の意思や意見がまったくないんですよ。
(雇用対策事業にも「親に言われて来た」とか言い出すし‥‥)
当然ながら、話していて覇気はまったく感じられませんし、言葉には知性が感じられず、思考しているとも思えない。
単に、流されているだけ。

何となく生きている

というのが正しい表現なんじゃないでしょうか。
「人間的魅力を欠片も感じない」を通り越して、「人間はどうすればこんなに無思考になれるのか」という疑問を感じるくらいです。
これじゃ、空気と同じですよ、ただそこに居るだけ。
人間じゃなくて、ただの糞尿製造機じゃないですか。

なんというか、こういう人は「定められたお勉強」はできるのでしょうけども、これだけ何も考えていない(考えられない)のでは、就職なんて夢のまた夢です。
どの会社も、こういう人間を雇いたいとは思わないですよね。
これで何に使えるというんですか?
なんというか、「勉強ができる」ことと「思考能力がある」ことはまったく別物なんだなと、改めて実感させられました。

こういう人が就職できないのは至極当然だと思いますが、こういう人の比率が増えてくると困ってしまいますね。
就職できないのは「無能、無策、無思考、無志向、だから」、もう少し端的にいえば「人間力が低過ぎるから」ということになる訳で、どんなに雇用対策をやって就職先を斡旋しても、本人の人間力がアップしない限りはどの会社も採用してはくれません。
雇用対策事業は職能訓練ではなく、それ以前の話として自己分析と自己啓発をやらないといけないような気がします。

職能訓練なら政府行政が、就職斡旋なら政府行政や業界団体や仲介業者がお金を出してやる訳ですが、
「自己分析や自己啓発人間力をアップ!」
なんてものは、それ自体では直接的に雇用を生み出さないので、誰もお金を出してくれないんですよ。
そうすると、人間力を養う場なんてものは誰も提供できない訳で、それではどれだけ職能訓練をやって、就職斡旋をしても、雇用には結び付きません。
クドイですが、企業は人間力のある人材を欲しているのであって、(例え職能訓練で資格を取得したとしても)人間力の無い人を雇ったりはしませんからね。

根本的な問題が見えているのに、改善する為の手を打てないというのは何かイラっときますね‥‥