ル・マンは一気に動きましたね

おはようございます、ばたすけです。

アウディ3号車のクラッシュから一気にレースが動きましたね。
トヨタの8号車がフェラーリにぶつけられて宙を舞ってリタイア。
長いペースカーランを挟んでレースが再開した途端、首位のアウディ1号車を追いかけるトヨタ7号車が周回遅れの日産デルタウイングを押し出してリアを壊してピットイン。
リアボディワーク交換後にレース復帰するものの、電装系トラブルで延々と修理。
そして未だに修理中‥‥

まだレースは終わっていませんが、トヨタ
「速さはあったものの信頼性が低く、耐久レースに合致した車造りができていなかった」
といったところでしょうか。

まぁ、参戦していきなり勝てるほどル・マンは甘くないということは判っていましたが、トヨタTS030の速さには正直驚かされました。
トヨタ7号車がアウディ1号車を抜いた時はヒヤリとしましたが、この調子だと今年もアウディの優勝で終わりそうですね。

しかし、ル・マンを利用して企業イメージを高めるというアウディの宣伝戦略は徹底していますね。
市販車にTDIエンジンを投入すると、すかさずル・マンディーゼルターボエンジンを持ち込む。
優勝したら「アウディのTDIエンジンがディーゼルエンジン車としてル・マンを初制覇」と宣伝する。
市販車に軽量化技術のアウディ・ウルトラを導入したと思ったら、ル・マンディーゼル車にはきちんとウルトラという名前を付けている。
ル・マンハイブリッド車を出す時は、四輪駆動にしてクワトロという名前を付ける。

これでアウディe-tronル・マンを制覇したら「アウディハイブリッド車ル・マン初制覇を達成」と鼻息荒く宣伝するんじゃないでしょうか。
トヨタはハイブリッドをウリにしているのに、ハイブリッド車ル・マン初制覇を「アウディトヨタでレースして、アウディに負けちゃいました」ではブランドイメージに傷が付くでしょうに。
あと、「アウディのクアトロがル・マンを制覇」も盛大に宣伝するでしょうね。

別にTDIにしろ、UltraにしろQuattroにしろ、それぞれは何って訳ではない一般的な技術でしかないんですよね。
ただ、それぞれをブランド化して、そのブランドとしての価値を高めるというということが徹底している。
アウディ知名度とブランド価値の急上昇度合いは目を見張るものがありますよね。
それに対して、日本の自動車メーカーはそれが致命的な程にできていない‥‥

コンコルド効果になっていはいかんのですが、「短期に結果が出せなかったからすぐに止める」というのでは宣伝としてまったく効果が無いどころか、逆に「結果が出せない企業」として自己のブランド価値を引き下げているだけですし、同じことを繰り返すのでは何も学習していないということになります。
やるんなら、盤石の態勢で挑んで確実に結果を得て、それを最大限度に活用しないといけません。
こういう企業戦略は見習って欲しいところです。